美しい空間と時間 庭園管理植吉
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お手入れ十二ヶ月

こちらではいわき市周辺を基準とした一年間のお手入れをご案内します。

1/2月 施肥と病害虫予防

各種庭木の寒肥をやります。油かすや牛糞、魚粉、骨粉などの有機質肥料を与えます。鶏糞は化成肥料並に速効性が強いため、寒肥には向きません。
寒肥とは樹木の生育が遅くなる冬の間に施す肥料のことで、新芽や新根が出る春先までに土壌の微生物とよく親和し、デリケートな細根にやさしく吸収されてゆきます。
施す場所は樹冠の外周部、枝先の下に10cm程度の穴や溝を掘って埋め込みます。

庭木の病気、害虫の動きがにぶいときです。カイガラムシや、病斑となって冬越ししている病菌の防除の適期です。マシン油や石灰硫黄合剤を散布することで、病菌を殺菌し、カイガラムシを窒息死させます。

サクラのテングス病、ミノムシ、イラガのマユなどは、落葉期の今の時期が見つけやすいので見つけ次第取り除いておきます。

バラの剪定、施肥の適期です。
冬は強く剪定し、春からの若い芽(シュート)の発生を促します。
鉢植えの場合は、鉢から根を上げ、土を入れ替えます。

竹垣の補修や新設にもまとまった時間をとりやすい時期です。

千両

 樹木の移植適期

彼岸前までに松の幹に巻いたコモ藁を取り除き、焼却します。ワラの中で冬越ししていたマツノカレハなどの害虫の防除になります。

この頃から梅雨明けまでが移植の適期です。(葉が芽吹く時期を除く)
細根が伸び、旺盛に水揚げし出します。
(ただし樹齢が高い木、十年近く動かしていない木などは、一年以上前から根回し作業が必要です。)
また花木の根切りをこの時期にしてやると花付きがよくなります。

竹垣用の竹は彼岸までに切り取っておきます。春彼岸から秋彼岸の間に切った竹は、水が揚がっているため、耐用年数が落ち、虫が付きやすくなります。

芝張りは、春彼岸から梅雨時頃までが適期です。
霜柱が立っているうちは根付きが悪いのです。
既存の芝には目土入れや施肥を行います。

ウメ類の花後の剪定の適期です。ツバキ類の花ガラ摘みを行います。

カイドウ、ボケ、ハナモモ、スオウ、アセビなど花の終わった庭木の剪定をし、お礼肥をあげます。

ツクシ

松のみどり摘み・ツツジの苅込

マツの「みどり」が伸び始めます。「みどり」は棒状に伸びたマツの新芽のことで、「みどり」の長さが、その年に伸びる枝の長さになります。これを 放置すると間延びした枝ぶりになり、松の品格が落ちます。それを防ぐため、この時期に行う新芽を折り取る作業をみどり摘と言います。
みどり摘みは、みどりの芯が伸びきってから葉が広がる前を目安に行います。時期が早すぎると、その後もみどりは伸び続けるため、予定の枝間隔よりも長く なってしまいます。また遅すぎると、みどりの伸びは止まっているので、枝間隔はそのままですが、秋枝の発生を望めなくなります。つまり、みどり摘みは、マ ツの枝を小さく分岐させ(年2回枝分かれさせ)品振りをよくするために行うのです。

ツツジ、コデマリ等の刈込みを行います。花が惜しいくらいの時に刈込むと、花芽がよく分化して、来年の花数が増えます。刈り終わったらお礼肥をあげます。

そろそろチャドクガ、アメリカシロヒトリが発生します。チャドクガはこの時期まとまっているので葉や枝で切って焼き捨てます。シロヒトリはオビカレハと同じで糸をかけるので見つけやすいでしょう。

アブラムシやオビカレハが発生し出します。オビカレハはサクラやウメなどに糸をかけて巣を作るのですぐに目につきます。幼虫が拡散する前に(糸をかけて固 まっているうちに)枝ごと切り取って焼却します。アブラムシは見つけしだい殺虫剤(スミチオンやディプテレックス等)を散布します。アブラムシはスス病を 誘発します。

うどんこ病が発生し始めます。庭全体に殺菌剤を散布すると効果的です。

新芽

サツキ類の刈り込み

サツキ類を刈込みます。生け垣の刈り込みも、年一回の場合は、今月の終わりから梅雨明けにかけて行うとよいでしょう。

芝刈は指が草に埋もれるくらいになったら行います。5月から10月くらいまでは毎月最低1回は必要になります。雑草抜きは芝刈り前に行います。

うどん粉病、アブラムシの被害が多くなります。薬剤散布とともにムダ枝を切ることによって通風を良くします。

咲き終わった春バラの花柄は結実する前に摘み取りましょう。

桜の実

7・8月 徒長枝・絡み枝の整理

枝葉が繁茂し、通風が悪くなってきます。病害虫の防除のためにも徒長枝、からみ枝を抜いておくとすっきりします。 ただ、あまり強い剪定をして枝葉の量を少なくすると、夏の強い陽射しに「幹焼け」を起こし、木にストレスを与えることになります。

春に花をつける木は、この頃花芽を形成します。枝先の刈込みには注意が必要です。

アメリカシロヒトリが二度目の発生をします。モッコクにシンクイムシが出て葉を巻きはじめます。

バラの夏季剪定を行います。秋にきれいな花を咲かせるために夏の小さな花を取ります。

夏の葉

9月 台風対策

新植した庭木があるなら台風前に支柱の点検をします。

ミノムシが目につき始めます。葉を丸坊主にしてしまいますので、見つけ次第捕殺しましょう。

芝のエアレーション(空気穴あけ)を適宜行います。

10・11月 剪定の適期

秋彼岸頃から先は新芽が伸びる心配がないので、春彼岸頃まで手入れしたままの樹形が保たれます。

11月頃に最後の芝刈りを行います。

12月にかけて、マツの「もみあげ」(古葉引き)と整枝を行います。春の「みどり摘み」とあわせることで品格のある健全な樹形を保てます。

落葉樹が落葉しはじめる頃、マツの幹にコモ藁を巻きます。毛虫をこのワラの中に呼び込み、早春にワラごと焼き払います。

紅葉

12月 新年を迎える準備

正月を迎えるために竹垣などを(一部)青竹に替え、乱れた樹形を手直しし、庭を清めます。

寒さに弱い防寒対策が必要な植物は防寒対策を行います。

落ち葉と雪

 

 

庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14