基本コンセプト
いわき市のほぼ中央に位置する住宅街に新築されたお宅です。
庭だけでなく、駐車場やアプローチを含めた外構を任せていただける事となりました。
車が欠かせない現代の生活では、駐車場は、家周りの敷地のかなりの面積を占めることになります。
昔の住宅において門が担っていた役割を、今では駐車場が担っているとも言えると思います。
そのお宅の「顔」とも言うべき駐車場なのですが、残念ながら、デザインを考えて設計されているところは意外に少ないようです。
今回は幸いな事に、お客様から「普通のコンクリート舗装では味気ないので、デザイン性のあるものにして欲しい」とのご希望をいただくことができました。
アプローチも含めて、使いやすさと、建物を含めた全体のデザインが調和していることを特に意識しながら、設計施工させていただきました。
庭全体のイメージとしては、お施主様ご夫妻とお話をしていたときに出てきた「トトロの森」をキーワードに、自然にあふれていながら、人が親しみやすく楽しめる雑木林をイメージしていきました。
※写真の上でマウスを動かすと拡大写真が表示されます。
道路から
駐車場
門袖・アプローチ
築山・流れ
飛び石・板塀
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施工前 |
施工後 |
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施工前 |
施工後 |
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施工前 |
施工後 |
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施工後(翌春) |
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施工前 |
施工後 |
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施工後(翌春) |
庭の中を散策するために、飛び石を据え付けました。
歩きやすさと見た目の楽しさを同時に満たすような配置を心がけました。
板塀は、〈住宅協定〉にある規定を守りながらのデザインで、このような仕上がりになりました。 |
翌年5月
翌年9月
今回の庭作りは、基本的なご要望をお伺いした後は、デザインはすべてお任せという、非常に幸せな条件で取り組ませていただくことができました。
施工する私たちにとって、信頼しておまかせいただけるという事に勝る幸せはありません。
写真では載せていませんが、元々の敷地内の土壌は、岩盤の上に強い粘土質の土がのっているという、植物の生育にはまったくの悪条件でした。
そのため、すべての土を搬出した上で、新しく水はけのよい土に入れ替え、暗渠排水を施工しました。
見えない部分なので、おろそかにされがちなのですが、造成地での庭作りの場合、何をするにしてもまず土の入れ替えと、場合によっては暗渠排水の施工が必須となります。
こうした基礎作業を行わずに庭を造ったとしても、せっかく植えた植物が健全に生育する事は望めません。
今回は、お施主様が土の入れ替えの重要性をよく理解してくださっていたので、庭をデザインするに当たっても、施工にあたっても、非常にスムーズに仕事を進める事ができました。
工期が大幅に伸びてしまい、お客様には長い間ご不便をおかけしてしまいましたが、施工過程を楽しみながらお待ちいただけたようなのが、幸いでした。
施工中、お施主さんのお子様の他に、近所の子どもさん達が作りかけの庭に集まってきて、「この庭、楽しい!」とみんなで走り回るということがありました。どんな褒め言葉より嬉しい出来事でした。
お子様たちと一緒に庭が育っていく過程をこれからもお手伝いさせていただければ、と思います。
※ 工事完了が11月中旬になってしまったため、写真でも落葉している木々も多くなってしまいました。また新葉が展開した頃に写真を撮って載せたいと思います。
この工事の模様は、ブログ「小梅の雑記帳」2008年7月、8月、9月、10月、11月に記事があります。
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