基本コンセプト
こちらのお宅は、住宅街の一角にあります。 当初、既存樹木の調子が悪いということで、ご相談をいただいたのが始まりでした。 敷地内は、造成地によくある岩盤土壌の上にマサ土を客土した土壌で、排水不良と養分不足が生育不良の原因であると思われたため、暗渠排水の設置と、土壌改良をご提案しました。 打ち合わせを重ねるうちに、入口アプローチに使われていた枕木も腐朽が進んでいたことなどから、全面改修をさせていただくことになりました。 今できたばかりという真新しい庭ではなく、風化したようなお庭をというのがお客様のご希望でした。 作為的に感じさせられるものをあまりいれず、ナチュラルな雰囲気が感じられるよう、作っていくことにしました。
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施工前後
アプローチの施工前後です。腐朽した枕木を外して土留めは小端積み石にしました。地被にセダム(ツルマンネングサ)を使っています。風化した花崗岩を散らして地被との相性を図っています。
その他施工後
施工中
真新しいお庭ではなく、前からそこにあるようなお庭がいい。 庭を作る側には、とても嬉しくやりがいがあると同時に、頭を一生懸命ひねらなくてはならないご希望をいただきました。 庭を作りながら、「風化して崩れそうなくらいがいい」と仰るお客様に「流行のアンチ・エイジングの反対、エイジングな庭ですね」と会話が進んだ時に、このお庭の一番ポイントとなるコンセプトが見えてきました。 陶芸家でいらっしゃるお客様の鋭い感覚から、私たちもたくさんの事を勉強させていただくことができました。 庭は、作り手とお施主様の合作であると強く感じさせられる良い経験をさせていただきました。ありがとうございました。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14