基本コンセプト
住宅地の角地にあるお宅です。
奥様が子供の頃過ごされた、雑木林の森をイメージコンセプトとして考えました。
春の芽吹きが美しいだけでなく山菜も楽しめ、夏には木陰を、秋には彩り、冬は木立の線の美しさ、眺めて愛でるだけでなく、暮らす人が、体験として楽しめる庭にしたいと考えました。
※出来上がりは図面と若干異なっています。
敷地は、東西に長い長方形で、その敷地内に同じく東西に長い形の住宅が建ちました。
そのため、庭は、東と西の比較的広いゾーン、東西をつなぐ南側ゾーン、北西側の駐車場ゾーンと分かれています。
最初、分かれた敷地を見た時は、どうしようかと頭を悩ませましたが、それを逆手にとって、「ゾーニング」されているのだと考える事にしました。
一番広い面積になる東側は、テラスから森と流れが楽しめる空間に。
建物に付属して作られたウッドデッキと組み合わせて、テラス前は親しみやすく楽しめる、高木と下草たくさんのフラットなスペースに。
奥行きがあまりない南側の長いゾーンは、タタキを広く取り、木々の間を歩く散歩道の雰囲気に。
西側は、果樹を植え、足下はハーブと菜園のコーナーに。
北西側には駐車場、北側の道路に面した部分は、目隠しと全体の雰囲気を明るく演出するためにウッドフェンスを作ることにしました。
そして、植物を見ながら、歩む毎に自然に景色が移り変わっているような、そんな風に、それぞれのコーナーがつながっていく事をめざしました。
家の周りを歩くことが楽しくなればいいな、そう思いながら、設計施工をさせてもらいました。
施工時期:2010年9月〜2011年2月 下草植栽:2011年5月
※写真の上でマウスをクリックすると拡大写真が表示されます。
正面・駐車場
道路側からの目隠しを兼ねて、ウッドフェンスを立てました。
(既製品組立ではなく、材木屋さんから仕入れた地元のヒノキとスギ材で自作しました。)
バラを誘引して、全面に這わせる計画です。
プランターをハンギングして、楽しむことも出来ます。
ウッドフェンスの下は、小端積みで、ナチュラルな雰囲気を出しました。
ポストのある玄関は、版築です。
駐車場は自然石を配して、カラクリート舗装しました。 |
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東側(流れのある森とテラス)
南側(森の小道)
西側(ハーブガーデンと果樹園・菜園)
施工中
敷地は、造成地によくある排水の悪い土壌でしたので、施工にあたっては、まず土の入替と暗渠排水の敷設から始まりました。 |
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暗渠管敷設中 |
駐車場の配石。左、扇状になっている部分は、玄関前で六方石を並べています。 |
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西側タタキ園路、施工直後です。
この後、洗い出し仕上げをしました。 |
西側、高木植栽後。
高木を植栽した時は、紅葉の時期でした。 |
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ウッドフェンス組立中。 |
小端積み施工中です。 |
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東側、テラス施工中です。
高木だけ、先に植栽してあります。 |
東側、下草植栽前の状態です。 |
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東側、築山の上からテラスを
見たところです。 |
東側築山、下草植栽中です。 |
今回のお庭造りは、住宅をぐるっと囲む空間がすべて人目に触れやすい、いわゆるデッドスペースがない空間でした。
空間をどれだけ違和感なく、無駄なく、つなぐ事ができるかという点が、大きなテーマになりました。
できあがったお庭は、奥様にマメに手入れしていただいて、暑い夏も無事乗り切れそうです。
こちらのお庭が、下草植栽を除いてほぼできあがったのが、2月半ば。
下草植栽は5月に。
3月に起きた震災の前と後をつなぐ庭にもなりました。
できあがった庭で、ご家族様の過ごされる時間が楽しく穏やかにつながってくれる事を、心から願っています。
作業の様子は、ブログ記事でご覧頂けます。
2011年 10月 11月 12月 1月 2月 5月
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