南へ
雨が上がってまた暑くなった。 むかし兵隊さんがしていたように、タオルを首筋に垂らして生垣を刈込む。 刈込みする奴はどうして表面だけ舐めて中に手を入れないのだろうと、ガサガサやる。 でるわでるわ。 枯葉や古葉やつっかり。 気持ちいいだろう。 幹枝が透けて光ってきた。
海沿いの道を帰る。 海は海色に光っている。 それが海だと気がついて海を見る。
今朝この道を、荷物を満載にした自転車で、ホームレスが南に向かって一心に漕いでいた。 自転車はガタがきているらしく、身をよじらせて漕いでいた。 顔はうれしそうだった。 いまごろどこまで行っただろう。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14