美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■雨上がり

雨ばかりが続くと、雨が上がっていることが不思議に思えてくる。
縁側でぼんやりお茶をいただく。
剪定枝を受けるために敷いたシートに、ベッコウバチが一匹飛んできた。
ハチは時計の針のように、尻尾を軸にゆっくり四囲を一まわりした。
この精巧な機械の、誰がスイッチを入れ、消すのか。

ハチはすぐに去った。
蔵の前に山百合と桔梗が咲いている。

消滅するということ。
関係だけが残るということ。
そのこと以外、私たちにどんな基底があるというのだろう。

そんなことがジタジタと分かってきた。

見えないものが見えて来るとき、世界は当たり前のようにそこにある。
それは初めからそうであったし、(私たちの)、
終わりのときもそうであるのだろう。

 雨が上がってヤマユリが香った。
座敷には入盆の仏の写真。

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14