美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■ 狗子仏性


今日は一日物置の片付けをした。

こころが定まらない時は片付けものをするに限る。

四囲を整序すればそれだけ世界も整う。

世界も自分もそれだけのものよ。

あっちを片付け、こっちを片づけ、汚れた足袋があれば川から水を汲んできて洗い、洗剤水が余ったので軽トラを洗い、杉丸太が転がっていたのでまた薪割をし、古竹を割り、畑から出てきたまま放っておいた縄文土器の欠けらをまとめ、三年前に刈り取って乾かしておいたハギの枝を整理し、あちこちに散らばり腐りかけた軍手やゴム手や革手をゴミ袋に入れ、クギとかすがいとボルトとビスを分別し、シュロ縄と麻縄とわら縄とビニールひもを分け、使い残しの肥料とセメントと漆喰と粘土をまとめ、溜めておいた木灰を袋にいれ、また古竹を割り、薪を割り、割った薪を積み、時々空を仰ぎ…

犬が一日見ていた。

いつものグランドへ行って犬を放した。
呼ぶとうれしそうに駆けてくる。
犬は犬以外の前後を裁断している。
まこと狗子には仏性が有ってござる。

 

 


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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14