美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■ 火を燃やす

せっせと薪を割り、柴を折り、陽に乾かして、冬にストーブで燃やすのが好きだ。

 (薪ストーブの効用)
1.暖房
2.剪定・伐採材の処理
3.木灰(肥料)の製造
4.洗濯物の乾燥
5.心身の安定

薪は煙を出し、樹液を出し、音を出して、最後にぽっと燃え上がる。
炎は絹のように、妖精のように、ゆらゆらと踊り、生成し消滅する。
木は次第に熾(おき)になる。炭になる。灰になる。
燃えてゆく変化を見ていると、何も怖がらなくていい、という気になる。

時間は定め。
この宇宙の時間は一方向にしか流れない。
親も子も私も燃やされ一壺の灰になる。
物質が光速を超えないように、時の流れは可逆でない。
そのことに安心する。
よどみ滞り遡るのは、こころの働きに過ぎない。

家の飼い猫は火が好きだ。
ストーブの前に陣取って、じっと火を見ている。
猫は宇宙人のような顔をしている。



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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14