美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■  移行 

ヒッヒッ、とジョウビタキが鳴くようになり、モズがキーィキーィと空を裂く。
アケビの実が割れ、萩も色づいた。
雨ごとに季節は進む。

霜が降りると、植物とともに、目に見えない生き物たちが眠り、死に絶え、風景は清浄なものとなる。
移行することによる清浄。

春までに行きつ戻りつしながら、このプログラムは続くのだろう。
そうしてまた再生のプログラムに少しずつ移行し、新しいステージが始まる。

私たちはそのことを感じ、忘れながら年を重ねる。
気がつけばそんな主体もいつの間にか移行し、もう自分の時間が少ないことを知る。
祖先たちはそんな風にして墓に入った。
私たちもそうなる。

山の上から木々が燃えてくる。
ケモノたちは巣ごもりし、車道に出て轢き殺される。
落ちた木の実は食べられ、蓄えられ、忘れられて、また来る春を待つ。

いま渓流の魚たちは水底に揺らめき、魚の時間を眠っている。
神様には神様の時間がある。
私たちの生活の下地のようにいつも流れて、風景を深くしている。

 

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14