美しい空間と時間 庭園管理植吉
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植木屋雑記帳

 

■  誰何 

寒くなった。
それでも雑木山をさまようと、日だまりに落葉が暖かい。
地べたに寝転んでも清浄な感じなのは、
微生物が死に絶えたからだろうか。
聳えるコナラを根元から見上げると、
空への長い階梯。
土と風と光と水の、
関わった時の流れ。

 (流れ?)

寒くなった。
裸の幹枝が、
冬の空を線描し、
地べたのこちらを俯瞰する。

 (俯瞰?)

わたしは枯葉に寝そべり、
茫然と誰何(すいか)する。
あなたは誰なのか。
これらの流れを決めた、
あなたは誰なのか。
この方向は、何なのか。

 

 (次元が足りない)

 

それでも雑木山をさまようと、
そちこちに新しい階層があり、
遠い、記憶のような欠落があり、
報われなかった思いがある。

 

寒くなった。
身一点、世界を招集すれば、
逆光の梢は没陽に言葉し、
開始する、
見たこともない、
誰かの距離なのであった。

 

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14