冬の月
雨上がり、いつものグランドに上ると、 山の端の月が群雲から出るところだった。 満月に近い月が、暗い空の奥からこちらを照らしていた。 なぜだか身動きが出来ず、しばらく見入った。 きのうは山へ木を掘りに行った。 杉の合間の雑木を掘る。 足下のあちこちに春蘭 連れて行った白い犬が、山の神のように駆け回る。 すぐ横を地割れが走り、それに沿って、杉が倒れていた。 向こうの谷からこちらの尾根まで、魔物が通った後のように。 その前日は、竹を刈り出しに谷川へ行った。 二年ほど間を空けたらひどく乱れていた。 直線を愛おしむように竹を刈る。 渡る風がしだいに整音される。 夕暮れに雪がちらついた。 今日は冬には珍しい大雨だった。 家裏に作った物置にゆくと、あちこち雨漏りしていた。 これも早く直さなければならない。 薪割りは大体終わった。
庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字唐沢14