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庭のあれこれ

いわきに多い梢端枯れ

 いわき市の街路樹やニュータウンに植裁された庭木を見ると、木の上部、梢(こずえ)が枯れている木が目立ちます。
 日陰になった下枝が枯れるのは樹木の自然ですが、日当たりのよい梢端部が枯れるのは、異常です。
 これは土の条件が悪いか、根が弱っている証拠です。幹や枝の組織が病気にかかっている可能性も考えられますが、いわきの場合、まず間違いなく土壌と根の問題が原因だと思われます。

 いわきは岩盤が表土に近く、土が痩せているため、植樹する場合は、大きめの植穴(幅、深さとも根鉢の倍以上)を掘り、水はけのよい、養分に富んだ土を客土をする必要があります。
その際、速効性のある鶏糞や化成肥料、完熟していない堆肥等を混ぜるのは根焼けを起こしてしまいます。
移植直後に肥料を施されるのは、内臓の外科手術を受けた後にご馳走を出されるのと同じです。
樹種にもよりますが、山で採れる赤土や黒土、腐葉土を主体とした客土がよいでしょう。花木には草木灰を混ぜるとリン酸分が多いため、花付きがよくなります。また木炭の粉末は酸素や微生物の吸着を助けて、最高の土壌改良材になります。

 いわきの街路樹や公園樹の多くが梢端枯れの様相を呈しているのは、設計通りの植穴を掘削していない施工業者と、提出された工事写真のチェックのみで、きちんと工事監督していない監督官庁の責任が大きいと思います。

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庭園管理 植吉 代表者 鎌田吉一 福島県いわき市田人町黒田字寺ノ下46−1